まだ二十代の若かりし頃のこと
関西では高名なとある鍼の先生と
食事をご一緒したことがありました

 

せっかくの機会なのでなので
「どうしたら自信を持って
治療に臨めるでしょうか？」
と、思い切ってきいてみました

 

その当時は実際の患者さんを
前にすると緊張してしまっていた
そんな駆け出しの頃でしたので

 

その先生は、淡々とした口調で

「この仕事を40年以上やってきたけど
未だに自信なんて持ってはないよ」

「ただ目の前にいる患者さんに、
自分が今できることを精一杯やるだけ
それは誰にも負けない自負心はあるけどね」

 

と、答えて下さった
そういう思い出があります

その時から20年以上も経ちましたが
自分の場合も、世の中には他にも
技術の高い先生やもっと凄い方法が
あるのかも知れないけれども
いまの自分ができる限り、知る限り
その時、一番いいと思えることを
集中、専念して、施術に臨んでいます

 

それでも未だに施術の開始直後は
自分なんかに治せるだろうかと
自信なさげに自問自答をしつつ
落語の枕と同じような感じで
最初はいつも手探り状態です(笑)

 

ですが、いったん施術モードに
入ってしまえさせすれば
他でもない自分を頼って治療を
受けに来て下さった方のために
少しでも早くよくなるように
その方にとってよりベストな
身体の状態に整えることだけに
ひたすら集中して臨んでおります

 

それは施術を通じて、ご自身の身体の
こわ張りや滞りと歪みに気づいてもらい
気持ちと心を解き放ち、安心して
生き生きとした生活と人生を取り戻して
いただくため、それ以外にはありません