医療系の学校は、取得すべき単位がとにかく多く、実習や試験に追われる日々でした


勉強に必要な専門書も高価で、まずはその費用をどう捻出するかが課題となり、アルバイトでなんとか賄う必要があります


京都といえど、私が暮らしていたのはかなりの田舎で、バイトの選択肢も限られていました


学生時代に経験したのは、早朝の宅急便の荷物仕分けやポテトチップス工場でのライン作業など


夏休みにはそれらに加えて、海やプールの監視員のバイトもやりました


宅急便の仕分け作業は、トラックに積み込む前に荷物を地区ごとに細かく分けるのですが、朝の現場はピリピリした空気が漂っています


少しでも間違えると配達員さんに
「だれやこれわけたのォ!!」と怒鳴られることも


眠気と緊張の中での作業は、なかなかにハードでした


ポテトチップス工場では、コンベアで流れてくる揚げたてのポテトから焦げたものを取り除いたり、段ボールを組み立てて袋詰めしたりと


揚げたてで味がついたばかりのポテチは、空腹の朝にはたまらなく美味しくて、つい手が伸びてしまうのですが、食べすぎると胃もたれしてしまうことも


早朝バイトの最大の敵は、大学の一限目


授業中は睡魔との戦いで、慣れるまでは本当にしんどかったものです


夜は地元のスポーツセンターで、体育館やグラウンドの管理と戸締りの仕事をしていました


設備は古く、片付けや施錠の際には真っ暗になり、何かが出てきそうで怖かったのを覚えています


責任者のおっちゃんは丹波訛りが強く、しかもかなりの早口...


最初は何を言っているのかさっぱり分からず、解読に苦労しましたが、今ではそれも懐かしい思い出です


そのスポーツセンターは城跡の敷地にあり、夏になると花火大会の打ち上げ拠点になります


目の前で花火が見られる、知る人ぞ知る穴場


ただ、その花火を一緒に見ていたのは、例の丹波訛りのおっちゃんという


夏休みの大学生と園部のおっちゃんが、京の奥地の夜空を彩る花火を見上げる


そんな少し切ない記憶で幕を閉じる学生時代の一幕なのでした

 

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