寒さと温かさが綾なす季節の変わり目、立春を経たというのに、まだ寒波による強い冷え込みが続いています
そろそろ梅の蕾がほころび始め、春の足音が近づいているというのに、冬が意地を張るかのような寒さ
三寒四温というように、次第次第に暖かな陽気となるにつれて、次いで訪れるのは花粉症の季節です
東洋医学では、人体を自然界の縮図として捉え、私たちの体は、四季の移ろいと共に呼吸をしています
特に夏から秋冬への移行期と、冬から春夏への変化期では、体にかかる負荷が異なり、実は後者のほうが、より大きな負担がかかります
これは自然界の営みとも密接に関係し水の循環に例えれば、山などの高い所から海を目指し低い所へと流れる水は、自然の理に従った穏やかな移行です
一方でその水が空へと昇華し、雲となって再び雨となる過程は、より大きなエネルギーを必要とします
私たちの体も同じで、陽から陰への変化(夏から冬)は量的な変化であるのに対し、陰から陽への変化(冬から春)は質的な変化を伴います
それゆえに寒さから温かさへの移行は、体にとっては大きな負荷を強いられる時期なのです
この時期によく見られる花粉症は、まさにこの質的変化に体が上手く対応できないことから生じます
体内の花粉症は陰から陽への質的変化に身体が対応できずに、体内の水と熱が巻き込まれてぶつかり合うことで代理的に生じて、それが目や鼻の粘膜に現れるのです
また、左の股関節周辺や腰に違和感を感じる方も多くなり、これも陰陽の変化による体の反応の一つです
この時期は寒さもですが、寒暖差なども自律神経系のバランスを揺さぶるストレスを与えています
よって、毎日というまではいかずとも週末だけでも散歩程度の適度な運動を心がけ、これからの春夏に季節に適応できるように心肺機能を上げておくことが不可欠になります
寒い時期は、運動不足になりやすいので室内でもいいので、軽い運動はしておきたいもの
いちばん望ましいのは、時間や歩数などにこだわらずに、ぼんやり歩くことも肝心です
スマホやパソコン、テレビ、ゲームばかりで身体に刺激を与える機会が減っているので、少しでも運動する習慣は大事にしたいところ
治療に際しては、体内における陰から陽へのスムーズな移行をサポートする意味で、経絡(けいらく)の流れを整え、体のバランスを取り戻す自己治病力の回復が優先されます
自然の営みに逆らうことなく、私たちの体が最も望んでいるような状態にして、本格的な春の訪れを待ちたいとおもいます