秋は、心地よい過ごしやすい季節と思われがちですが、実はカラダにとっては大きな変化の時期
東洋医学では、この季節の変わり目に、カラダが様々なサインを送っていると考えられています
いまの時期は「秋分」あたりを境にして身体の様相も切り替わって、特に女性にとって、この時期は心身のバランスを保つことが重要です
東洋医学の基本である陰陽と五行の考え方を取り入れることで、季節の変化に対応しやすくなります
陰陽とは、太陽と月、昼と夜のように、相反する二つのエネルギーのバランスを意味します
五行は木、火、土、金、水の五つの要素から成り立ち、四季の変化とその循環を表しています
これらの考え方は、鍼灸や漢方などの東洋医学の基盤となっているのです
春、夏、秋、冬の四季があるように、私たちの体も季節ごとに変化します
健康な状態であれば、季節の変化は体にとって良い影響を与えます
しかし、気血のバランスが崩れている場合や、五臓と経絡のエネルギーバランスが乱れている場合、季節の変化が不調を引き起こすことがあります
気圧、湿度、気温、天候条件の変化によって、不調を来してしまうのと同じで、季節の変化も体調に影響を及ぼします
これからの季節、呼吸器、皮膚、首や肩、腰、大小便の不具合、気分のアップダウンや自律神経系の問題などが出やすくなるので、これらの不調を防ぐためには、適切な養生と治療が必要です
秋冬の変化に向けて、夏の間の暑さで体内にこもってしまった熱とともに摂取した余分な水を処理、排出するため陰の気を補い、気血を潤すような治療処置が大事になってきます
夏の季節は熱気と湿気が邪気となって、身体の五臓と気血にダメージを与えて様々な不調をつくりだすのと同じで、秋は燥の気が心身によくない影響を及ぼすせいで、調子を崩してしまいます
夏に受けた暑さによる熱の名残りが、この燥気と結びつくと「温燥」となるために陰の気を傷つけ、水に関連する臓器、主に腎臓や肺などを傷めてしまいます
冷房や冷めたいものの飲食で、湿と冷えが残っていると「涼燥」となり胃腸を傷つけます
さらに燥気は金気でもあるので金気と対抗する木気の肝臓の働きを阻害し、筋肉やスジの引き攣れを起こしやすくなります
秋の燥気は、夏や冬の暑気や寒気のような激しく目立ったものとは違い、かなり地味に水面下でじわじわとダメージを及ぼすのが特徴です
このように、自然界の営みと天候や四季、身体のバランスは複雑に密接に絡んでおり、それらを踏まえた上で不調で来した様々な症状を調整するのが治療なのです
東洋医学は、現代医学のように病気でなく、それとは逆に病人のほうを治すことが目的です
自然界の営みや天候、四季の変化を活かし、身体の「自己治病力」が調うことによっての結果、健康的な生活が実現されるのです
東洋医学による鍼灸と整体の治療によってより多くの方々の健康的な身体づくりの一助となりますよう、お役立てください